
2010年05月16日
篆刻講習 10
・・・・最終回です。彫りあがった作品を捺印します。・・・・
印影
写真は「蚕起食桑」 朱文、七十二候の一つで、蚕が起きて桑を食べ始める、という意味です。

下段の六印は右三印は魏の官職印。上二印は鋳印、下一印は鑿印。
左三印は朱門掲載印。「朱門」とは蒼岳発行の研究紙。(月刊)

蒼岳著「篆刻教本」より
2010年05月16日
篆刻講習 9
・・・・今回は、いよいよ彫りの段階です。・・・・
彫り
彫りは篆刻台に印材を固定させ彫る。
写真のように刀を前進させる方法と手前に引く方法がある。両方を駆使して、二ミリか三ミリづつ彫り進む。手を篆刻台に添えて、手を浮かさないこと。
蒼岳著「篆刻教本」より
2010年05月16日
篆刻講習 8
・・・・印稿をもとに文字を印面に書き込んでいく作業です。・・・・
布字
いよいよ印面に出来上がった印稿を書き入れてゆく。逆文字を丁寧に入れる。この作業を布字という。
ここで時間をかけるか否かで作品の仕上がりが変わってくる。時間をかけること幾日のこともある。
印面に朱を塗り、墨で書き、朱で修正して納得のいくまで行う。印面に墨を塗り朱で文字を書く方法を正とするもあるが、どちらでも良い。
蒼岳著「篆刻教本」より
2010年05月16日
篆刻講習 7
・・・・文字をどのように入れるか、原稿を作り構想を練ります。・・・・
印稿
印面に書き入れる前の原稿作り、構想を練る。別稿のように幾つもいくつも試行することで、錬度の高い作品をつくることができる。
印稿は次のように書く。1は姓名、2は雅号、3は回文の順。
印文が姓名であれば1、雅号であれば2の様な順で文字を書いて原稿作りをする。

この時点で朱文に彫るか、白文で彫るかを決める。
下のように自分で納得できるまで推敲する。幾つかを書いて、形、文字の誤りはないかを調べる。
自分のイメージに合わせて印稿を書く。

蒼岳著「篆刻教本」より
2010年05月16日
篆刻講習 6
・・・・今回は彫ろうとする文字選びについてです。・・・・
選文・選字
彫ろうとする文字の選定。普通 姓名または雅号。吉祥文。
選文した文字の篆書を調べ、記録する。文字は甲骨文・金文・小篆・印篆他。
図版は「篆刻字林」の部首、金部を出してあるが、上から小篆・古文・金文・印篆の順になっていて、選字する時に各欄の内から選ぶとよい、文字は時代順になっている。この辞書は時代別に掲載して、簡便さが特徴である。一印中の文字の年代統一は重要な作業の一つで、極端な年代違いは陳腐な作品の出来を招くことになる。
文字の選字ができた段階で印稿デッサンに進む。

蒼岳著「篆刻教本」より
2010年04月23日
篆刻講習 5
・・・・いよいよ作業工程に入ります。まずは、印面の調整についてです。・・・・
印材と印面の調整
印材を決めて、印面を平らにする。水ペーパーで行う。
この作業は作品の出来不出来に影響する。できた印面に朱もしくは墨を塗る。
蒼岳著「篆刻教本」より
2010年04月18日
篆刻講習 4
・・・・今回は、篆刻に使用する印材についてです・・・・
印材
今回の講習会には「青田石」の二センチ角を使用するが印材を語れば、一日を費やすほど奥の深いものである。それは又後日とする。
蒼岳著「篆刻教本」より
2010年04月13日
篆刻講習 3
・・・・今回は篆刻をする際に用いる篆書の辞典についてです。・・・・
篆書辞典
篆刻字林・古籀彙編 その他篆書の辞典。最近は篆書に関する辞書が氾濫しているが、著者、出版社に注意することが肝要。
蒼岳著「篆刻教本」より
2010年04月12日
篆刻講習 2
・・・・今回は、篆刻に用いる工具の紹介です・・・・
工具
●篆刻台 1台
●硯 (朱・墨用) 2面
●朱墨 1個
●墨 1個
●筆 (朱・墨) 2本
●刀 1本
●印泥 ●印矩 ●ブラシ ●下敷 ●水ペーパー
●手鏡 ●半紙 ●布タオル 等
蒼岳著「篆刻教本」より
2010年04月10日
篆刻講習 1
・・・・今回は、篆刻とは何か、篆刻の歴史について、簡単にご紹介します・・・・
はじめに
篆刻は、中国明朝末期にはじまり、清朝末期の動乱の最中に、隆盛を極めた芸術である。
尤も中国には、古く五千年の歴史を持つ印章文化があり、木簡・竹簡の時代に、印章はすでに権力の象徴としてその座を占めていた。印章なくしては政治権力が動くことのできない時代が築かれて、周・秦・漢に云った。
特に漢代を中心に印式の制度ができ、官職印の使用が行われた。官職印は方形で金・銀・青銅等で作られ、彫られている文字は篆文であった。篆文とは時代的背景、地域的背景の中で変遷し発展した大篆、小篆がそれである。大篆とは、甲骨文・金文・籀文を網羅した総称である。
さて篆刻とは、おもに石印材に文字を彫ることを言う。文字は篆書(小篆・印篆)を主とし、印材はすべて中国に産する石を使用する。稀に木印材等もある。石印材の産地は中国福建省寿山県、寿山坑。浙江省青田県、青田坑に産するものを中心に、最近はモンゴル地方からも産出している。美石は黄金と同じ値、それ以上のものもある。この美石の発見で篆刻が始まったと言っても過言ではない。明朝末期に文人たちの美意識の中から芽生え、清朝で発展し、清朝末期、特に上海・杭州を中心に行われ、混乱の最中、頂点に達した芸術である。その時期に同じ文字文化を持つ日本に伝播し、日本・中国ともに発展した。

はじめに
篆刻は、中国明朝末期にはじまり、清朝末期の動乱の最中に、隆盛を極めた芸術である。
尤も中国には、古く五千年の歴史を持つ印章文化があり、木簡・竹簡の時代に、印章はすでに権力の象徴としてその座を占めていた。印章なくしては政治権力が動くことのできない時代が築かれて、周・秦・漢に云った。
特に漢代を中心に印式の制度ができ、官職印の使用が行われた。官職印は方形で金・銀・青銅等で作られ、彫られている文字は篆文であった。篆文とは時代的背景、地域的背景の中で変遷し発展した大篆、小篆がそれである。大篆とは、甲骨文・金文・籀文を網羅した総称である。
さて篆刻とは、おもに石印材に文字を彫ることを言う。文字は篆書(小篆・印篆)を主とし、印材はすべて中国に産する石を使用する。稀に木印材等もある。石印材の産地は中国福建省寿山県、寿山坑。浙江省青田県、青田坑に産するものを中心に、最近はモンゴル地方からも産出している。美石は黄金と同じ値、それ以上のものもある。この美石の発見で篆刻が始まったと言っても過言ではない。明朝末期に文人たちの美意識の中から芽生え、清朝で発展し、清朝末期、特に上海・杭州を中心に行われ、混乱の最中、頂点に達した芸術である。その時期に同じ文字文化を持つ日本に伝播し、日本・中国ともに発展した。

蒼岳著「篆刻教本」より
2010年04月09日
篆刻教本

これは昨年、篆刻の講習会で講師をつとめたおり、用いたテキストです。(蒼岳著)
篆刻とは何か、用いる工具、作品作りのノウハウを簡単にまとめています。
何回かに分けて、内容を少しずつご紹介したいと思います。



